着物の蝶柄にまつわる歴史と意味

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珍しく着物の柄についてお勉強中の
NEOキモノStylistのミシェル由衣です。

先月の蝶柄の振袖を使った袴の撮影をした時に
ふと面白い友人の話を思い出しました。
彼女の家では基本的に蝶柄の衣類を着るのはNGらしく

「私も何で着ちゃダメなのか、よくわからないんだけど、何となく着ないようにしてるんだ〜。」

と。 この話を思い出したら、むくむくと蝶柄への興味が湧いて、ちょっと色々調べてみました。

神秘的な蝶のイメージ

蝶柄の歴史。を調べてみると、割と古くから柄として用いられていたようで、
平安時代の中期以降、十二単の唐衣に用いられたり、
有職文様に取り入れられたりしていた様で、柄になるぐらいだし、
良いイメージを持たれているみたい。
ご存じの方もいるかもしれませんが、向い蝶はその1つです。

青虫⇨サナギ⇨羽が生えた綺麗な姿の蝶になっていく姿から女性の成長を表している。
とか、
蝶が天高く登っていく姿に神秘性を感じ、不死の象徴として武家の家紋にもなっているそう。

平家ゆかりの家紋としても有名で、アゲハ蝶の家紋を見たことがある人も多いのではないでしょうか?

恐らく、この流れから当時は貴族や武家がシンボル的に使っていた蝶柄。
だんだんと能装束や小袖などにも文様として用いられ、
そこから町人に渡っていくという、
割と昔の定番のファッションの流行りの流れに乗って大衆化したみたいで、
そこからはパターン化されたり、
可愛らしい印象のモチーフへと変化していった物と思われます。

悪いイメージはいつ、ついた?

蝶は花から花へと飛び移る移り気な物だから結婚式に着るには要注意って話とか
(これはどっかで聞いた様な気もする。どこだったか忘れたけど😆)

サナギから蝶になる姿めでたい!って人もいれば、
いやいや不吉じゃね?って捉える時代とか地方もあったらしいのですが、
着物の柄のことを調べているだけでは、いまいちわからず深掘りしてみました。

蝶は霊魂の別の姿という考え方

皆さんにも是非、調べてほしいのですが、
歴史書とか昔の人に日記の中に

蝶々が大量発生した!何か不吉!とか怖いよ〜。

みたいな書かれ方をしていたり、
日本各地に夜現れる蝶は死者の魂という言い伝えがあったり、

夜の蝶に出会うと死ぬ。
なんて話もあるらしいのですが、

要は蝶と蛾を一緒にしてたらしい

で、結構、な〜るほどってなった訳です。
なんでか羽が広がってるだけで蛾って気持ち悪いし。
(そんな感じするのは私だけ?)

と思ったのですが、そういうわけではどうやらなさそう。

ちなみに、蝶と蛾を分けたのは、英語の影響だそうですよ。

古代の人が考える蝶のイメージ

今まで話したのは、江戸時代の話とか、
さらに遡っても鎌倉時代の話とか、なのですが、
人の死がもっと身近だった古代まで遡ると、
蝶は復活や再生を意味する割と希望のある存在だった様です。

蝶は魂を再生へ向けて運ぶ神聖な生き物。
という時代から 人と死の距離が離れていって、

死=怖い物 となった後、

「蝶がいる!誰か死んだ!不吉!」

みたいな流れみたいでした。(なるほどってみんなはなった?)

やっぱり人の心がイメージを変える

今回調べてわかったのが、

蝶はやっぱり神秘的なイメージで何か、あの世と繋がってそう。
という考え方が昔からあるらしく、
しかも世界的にこういう考え方が割とあるみたいでした。

それが影響して、時代と共に移り変わる人の死への考え方が
蝶へのイメージが全く真逆へと変わるのは印象的でした。

現代はやっぱり、現実的。
だから見た目の美しさ重視で蝶が受け入れられてるのかなぁと思ったり。
でも友人の家庭の様に、

蝶はNGです!

みたいな家庭きっと他にもあるんだろうなぁと
調べれば調べるほどに思った以上に奥深かった蝶のお話でした。

とはいえ、ここまで丁寧に書いてあったのが、実は1つのブログ記事の投稿だけで、
本を読んだらもっと深掘りできそうだなぁと思った次第です。

いやぁ。たまには勉強もいいですね。 とってもためになりました。

皆さんは蝶柄の着物お好きですか?

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